それはやっちゃイカンだろ
翔ちゃんが夏の到来を盛り上げていた裏で、例の件がまた新たな類焼を引き起こしていた。
ま、細かいことは書かないし、そのツイートを貼り付けたりもしないけどさ。
要するに、ミュージシャンとしての関ジャニがプロをゲストに音楽のさまざまな側面を深掘りする番組にもたびたび出演していた音楽プロデューサーが、こともあろうにジャニーズを「レベルが低い」とdisった、ってところから始まった話。
そのピー氏(アルファベットすら振ってやんない)が、(元)所属先スマイルカンパニーとのマネージメント契約を解除された、と。その責任転嫁とも言えるツイートの矛先が、発端になったジャニーズ事務所とともに、日本のポップミュージックにおける大御所でスマイルカンパニーの重役でもある山下達郎氏に向けて発せられたことで、これまた騒ぎになっとる。
オレの意見は、そもそも真偽が明らかでない炎上ビジネス誌※のネタに乗っかって、オノレも『関ジャム』始めジャニーズ所属タレントと頻繁に共演している立場なのに公然とdisり、かつ元所属先の代表的な存在である山下達郎氏はジャニーズに多くの楽曲提供もしているビジネスパートナーなんだから、そりゃ
死刑っ!
だよ。
得意先にケンカ売ってるんだから。
そんなの入社1年目の新卒だってわかるだろ。
なのに、自分のクビを決めた会社の方針に達郎さんが同調したことを「残念」とか言うわけだ。
残念なのは誰なんだよ。
これはオレがジャニーズ推しだから、とかいうのを取っ払っても、普通の感覚を持つ社会人なら
まーそりゃそうだよな
と思うだろうよ。
それでも、ピー氏に同調する人が続出するのはどういうわけか。結局、噂話を消費して有名人を叩く「ふみはる」等にまんまと乗せられるタイプのうっかりさんや単なるアンチジャニーズ、内乱組…みたいなところなんだろうな。
※ツイートで流れてきたんだけど、「ふみはるオンライン」は、明治の文豪であり文士のパトロンでもあった菊池寛を祖に戴くことにプライドを持つ本体の常識派が、一緒にしてほしくないとしてネットメディアとして切り離したという説が見られた。うむ。それはありうる。
なぜか話はサブスク問題?に
で、こっから話は予想外の枝葉を伸ばしていて、それはそれでジジイ的にはちょっと興味深かったんだけど。
たつろーさんがサブスク解禁しないのはジャニーズの闇と関係あるからじゃないの?見損なったわムキー!
みたいな、
なんでそうなるん?
というレスが多かったのよね、問題のツイートに。
しかし、そういえば、たまたま最近どこかで山下達郎がなぜサブスクに好意的じゃないのか読んだ記憶があって。
それはつまり
サブスクの報酬が低すぎて音楽ビジネスが成り立たなくなる恐れがある
てなことを言ってたと思う。
どこで読んだのか、まったく思い出せないからググってみたら、1年前の記事でこんなのがあった(嵐ファンには味方になったり敵になったりややこしいメディアだけど)
日本の80年代シティポップが人気!とか言われはじめたころで、なんかその発火の仕方がイマっぽいなーと感心したんだった。
最近読んだのはこの記事じゃなかったけど、趣旨は同じ。
と、ここで思ったのは、いまだにCDを基軸にしているジャニーズって、その意味では山下達郎氏の姿勢と重なるものがあるな!?ということ。
ジャニーズのビジネスモデルが音楽業界を救うのか?
オレがずっと不思議だったのは、わが家にできた沼が日に日に深くなるにつれ、なんでジャニーズってこれほどCDなん?ってことだった。
そもそも、オレはガキのころから、バンドとかやってたくせにレコード(当時)というものをほとんど買わなかった。
だいたい友だちとかレンタル店から借りてテープにとって済ませていた。
セコかったんだ。いまもだけど。
オタクの素養が致命的に欠けてるんだよね…
で、音楽の流通もパッケージから離れてストリーミングとかも始まって、それでやっと「名前は知ってるけどちゃんと聴いたことのなかったバンド」とかを楽しめるようになって、
ええ時代じゃのぉ…
と喜んだけど、つくって届けてくれる人のことはほとんど考えたことがなかった。
で、データを拾ってみると、2022年いちばん売れたシングルはキンプリの『ツキヨミ』ということで(オリコン)、100万枚強となってる。
それがもしすべてサブスクだったら、Spotifyがおおむね1再生1円、AppleMusicが2円らしいから、それぞれ100万円、200万円ということになる。
これじゃビジネスとして成立しないよね。いくらパッケージ等のコストが掛からないとしても。
それでも、もし日本語がメジャーな言語だったら、世界で勝負すれば…日本の人口比で考えて1億人に100万枚だったら100分の1枚…世界の人口80億人で…単純計算8千万円?
んー、こんな計算、意味なさそうだな。
1曲の音楽をつくるのにどのくらいコストがかかるものか、オレは知らない。しかし、ジャニーズだとスタッフも一流だから、もちろん安くはないはずだ。
ちなみにCMとかだとキャスティング別で1〜2千万とかは制作費だけでかかってた。ちょっと昔だけど。
世界的には音楽CDはオワコンと言われてるらしいけど、それでも日本ではCD市場が根強く残り、音楽ストリーミングへの参入が遅れているのは、言語の特殊性と、なんだかんだ言いながら世界で2番めに大きい市場があるかららしい。
その中で、達郎氏のCDがどんなスタイルのものか知らないけど、ジャニーズのCDは「所有する喜び」に対するサービスが効いていて、だから「CDデビュー」が大事なんだな、と思ったりする。
じつは今ではオレも
CDまだ勝ち目あるのでは?
と思ったりするのよね。
その昔、レコードがCDに変わっていくとき、なんか寂しかった記憶がある。
レコードジャケットというアートが退場していったからだった。
いま、逆にレコードが再注目されている背景には、アルバムのアートワークといった側面もあるに違いない。
なので、極端に言えば、CDじゃなくUSBでもいいのかもしれない。とにかく、所有する気分を満たす充実したオマケがあれば、作品世界にも浸りやすくなるし、じつはCDショップだけじゃなく書店やコンビニに販路を広げることができそうなんだよね。
これは宝島社が発明したのかな? ほら、なかなか豪華なおまけ付き雑誌が増えたでしょ。あれも、雑誌が持つコンビニという現代の最重要チャネルでブランド訴求できるから…ってことでコラボが成立してるという話だし。
豪華ブック付き音源だとしたら、単なるおまけではなく音源やアーティストの世界観を伝えるグッズになるのがふつうだろうから、客寄せでインパクト狙いだけ…みたいなことにはならないでしょ。
そうすれば、カメラマンやデザイナー、もしかしたらライターにも、さらに当然ながらCDプレス屋さんや印刷会社なども仕事が発生する。お店も商材が増える。
ジャニーズみたいにファンが固いビジネスは、そういうやり方で周辺産業を支えていけるかもしれない。
もしかしたら、海外にもそのビジネスモデルを再輸出できるかもしれない…。ステキじゃない?
サブスクと嵐と後進の戦略と
そこでサブスクはどんな役割を果たすのかというと、これはマーケティングツールってことになるんだろうと思う。スーパーの試食コーナーみたいな。
ただ、ちょっと違うのは、スーパーの試食コーナーで満足して終わる客は少ないけど、音楽サブスクの場合はそれで完結してしまうケースがほとんどになるだろう、ということかな。
だから、音楽「ビジネス」を考える人は、サブスクに否定的あるいは懐疑的だったりするのかもしれない。
ジャニーズも、ずっとデジタルまわりは手をつけずにいた。オレなんかも
まったく遅れてるよなぁ…
って思ってたけど、考えに考えて…の結果だったのかもしれない。
それを、嵐の休止前に一気に加速させたことは、ちょっと驚きの行動だった。
YouTubuの解禁、Netflixのドキュメンタリー『Voyage』の展開、
ブルーノ・マーズに楽曲提供を依頼したり。
こういった北米展開は韓国が先行していたようで、はからずも国内マーケットが倍ある日本は遅れてしまったわけだけど、この一連の展開は完全に世界戦略だったよね。
プロデューサーMJ公もがんばったんだろう。
コロナがなければどうなってたかな…。
嵐は、自分たちをテストケースに、今後のジャニーズビジネスのあり方を模索しょうとしていたのかもしれない。
反対に、山下達郎氏は
僕はドメスティック・アーティストだから
と言ってるらしいけど、海外展開より国内を重視する、と。
シティポップの権化みたいなアーティストだから、サブスク解禁したら世界中で人気が出るのに…と言われながらも、そのこだわりにこだわった音作りと同様に、すべてを自分のコントロール下に置いておきたい、ということなんだろう。
同時に、育ててくれた音楽ビジネスへの恩返しの意味もあるのかもしれない。
もしかしたら日本の音楽マーケットと心中する思いなのか?とも想像したりする。
もしかしたら、ジャニーズのビジネスモデルにも共感を持つ同志なのかもしれない。
…てなことを書くと、
やっぱりジャニーズとの裏取引を認めた!
みたいなことに………ならんよね、さすがにオレの勝手なブログの意見程度じゃ。
まぁともかく、薄暗い気持ちのままじゃカビが生えそうだから、せっかく7月、夏本番も近いことだし、明るい気分になりたいね。あ、そうだ。達郎氏のアルバムとかもチェックしてみようかな。