「はるかに遠い夢」って…
ドラマってあまり観ない。観始めれば観続けなきゃならないし、最後まで観て「えーっ?」ってなったら、それまでの時間とか無性に惜しくなるし、悔しくなるし。
という言い訳は、なんか過去にも書いたっけ。
で、『どうする家康』は、MJ公が出るので、順調に行けば最後まで観れるはずだ。大河で全部観たのは、かなり昔の『太平記』これは仕事がらみだったので…。『龍馬伝』ふと考えると幕末史のことまったくというほど知らなかったので、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んで大河を観た。DVDをレンタルしたんだと思う。どっちが先だったかな。忘れちゃった。
以上です。
今回もMJ公が出るから観なきゃね。観るからには予習を…ほとんどしなかった。並行して学びながら…いろいろあってなかなか…ということで、ほぼ中学生のままジジイになった情けない状況で、関ヶ原は家康と誰が戦ったの?って有様で観始めたのでした。
だから何もかもが新鮮だぁ!
で、『どう康』(といきなり略すが)ですが、ちょっと想像以上に楽しい。というか、完全に没入できてる。
先日の「はるかに遠い夢」も、何が起こるかはツイッター等で知ってはいたものの、どういう展開があるのかは歴史シロートだからこそ純粋に「どうなるの?」とハラハラできてた。
その前の回で武田勝頼の裏切りにより計画がバレて頓挫し、心の底から「勝頼めぇ!」と打ち震えたし、なぜ裏切られたときのための策がないのか(いまでは遠大な裏仕掛けだったのかも…と涙腺がまた刺激されるが)…など、ぐるぐる考えもした。
しかし、そうか…さまざまな意味で、はるかに遠い夢だったのか。戦のない世も、出会ったころのことも、子供の成長も…
なんて書いてる今も、堪らなくなってくる。
映画とかで、あ、泣かされる流れだ…と思うと、自然と気持ちが若干引くような性格は元からで、近ごろは素直になろう受け入れようとするんだけど、その余計な脳内のやり取りがジャマで、我ながら嘘くさい後味が残ることが多い。
けど、瀬名ちゃんに説得されて、わかった!と無理やりグシャグシャな笑顔をつくり、意を決して船に乗り込み去ろうとするけど、やっぱりやせ我慢はムリで、「イヤじゃあ!」と無理やり船を降りて瀬名ちゃんを止めようとするIY公…
なんか、すべての感情にシンクロしてしまい、涙に意識が行く前に落涙してしまった。そんなこと記憶にない。
大鼠が介錯をして思わず後ろに飛びながら平伏したのも響いた。
あの回は相当尾を引いた。じつは紀行シーンも会話の内容はあまり覚えていない。ダメージから立ち直るのに結構な時間がかかった。
月代(さかやき)を剃るシーンから
で、先日の「ぶらり富士遊覧」は、タイトルからして昔のテレ東(いまはフジがやりがち?)を思わせるギャップ狙い。あの悲劇のあと、めちゃくちゃ人が悪い脚本だな…と思ったけど、シーンは月代を剃るところから始まる。
青年から成人へ、という演出でもあるけど、そのときの目の光のなさの演技がめちゃくちゃいろんなことを語っていたのが圧巻だった。
月代…どうなんだろ、似合うのか…と若干心配していたけど、完全に杞憂だった。
演技も、悲しみと覚悟を決めた男のどっしりと重厚な気配を漂わせ始めていた。
そして武田を容赦なく追い詰める冷酷さも厭わぬようになった。
で、ありながら、タイトルの回である。前回とはあまりに違う、脱力の展開。そりゃー家臣たちだってモヤモヤするよな。正室と嫡男を自害で失い腑抜けになったのか?と。
対称的に、ひとり闇の中、生気を失くして薬研で何かを挽き続ける描写。
感情が…ない。
なぜ「信長を殺す」と言ったのか
観ているときはうっすら目の前がガーゼで覆われた?くらい、いや、もっとビミョーな違和感だったけど、なんだか次第にそれは大きくなってきて。
ふつう、武士が特定の相手を狙うとき、
◯◯を倒す!
という言い方をしないだろうか?
ましてや家臣が集まる中、公式?な言い方、つまり武家用語で言わないだろうか?
それが、いきなり生々しく
信長を殺す
と、それはまさしく人殺しの宣言である。
反芻してみて驚いた。
すると、家臣たちが不満を募らせた前半の信長に対する恭順を越えた卑屈さが、かえって空恐ろしく感じられる。
そこには静かだが揺るぎない決意が見える。
あとに続く天下獲り宣言も「試合開始ぃ〜」のファンファーレが鳴るのだが、それよりもやはり
信長を殺す
のインパクトが強烈で、このワードチョイスだけでも脚本の古沢良太氏の力量に圧倒されたのです。
MJ/IY公は決意を固めて準備して
つらつらMJ公の過去作なども思い出しつつ、本作を第1話から脳内再生すると、ところどころ象徴的なシーンが思い浮かぶ。
最初から
もういやじゃー!
と新しい戦隊モノのタイトルかな?と自分の中で何度か繰り返して遊んでたころがあった。
目をキラキラさせながらうさぎの木彫りフィギュアをこしらえておままごとに興じる、優しいながらも「大丈夫かな?」と心配になっていた。
この時代の家康公のことをほとんど知らない…あれ?信長のことも仕事でやって、幼名だとか人質だった件とかはぼんやり知ってたな…ああ、某巨匠の単行本の広告を2〜3冊担当したんだった。そこそこ褒められて「今度ラーメン食べに行こうっておっしゃってたよ」と出版社の担当に言われて喜んだけど果たせぬまま鬼籍に入られたんだよな。残念だった…。
てなことだけ覚えていてほかの内容はほぼ忘れたけど、Wikiの概略で簡単に触れられている程度のエピソードしか記憶にないから、むしろ
へー家康ってそうだったんだー!
と新鮮な気分で観られるのはいい。
で…そうそう、オープニングから「白兎」など総髪時代のエピソードは、目も定まりなく、口元も緩みがちで、頼りない殿に見えたけど、それはやっぱりMJ公の綿密な下調べと役作りの賜物だったんだと気づく。
キラキラばかり見られがちなジャニーズの中でも、ひときわキャラが強いMJ公は、それゆえいろんな悔しい経験をしてきてるんだと思う。
さらに
愛するものを自分の手で殺そうとしている
とネトフリ独占の『ARASHI’s dialy ~Voyage~』でも言ってた…あ、あのときも「殺す」と言ってたわ…という嵐としての活動休止があり、その中での大河のオファー。
おそらく、相当な覚悟と決意をもって、この役どころを受けたんだと思う。
折からのコロナ禍もあり、その時間を有効活用できたのも大きかったと思う。
まだMJ公が20代くらいのころかな?という記憶だけど、オレもまだ嵐に興味がなく、てかむしろ学生時代からのアンチを引きずってたころ(穏健派アンチね)たまたまテレビで松潤に「時間内で長尺のセリフを覚えてみんなの前で演じる」みたいなムチャ振りする番組があった。30分で5分のセリフ、とかだったかな。ヤラセじゃないのは本人の取り組む表情でわかった。
で、チャレンジである。たしか審査員は何人かいて、蜷川幸雄氏もその中にいた(と思う)。松潤は挑む。緊張で顔がひきつっている。が、成し遂げるんだよね。それはすごかった。ほとんどアスリートだった。終わって、蜷川氏が絶賛してたのを思い出す。
そうなんだよ。ジャニーズって姿かたちがいいのはスタートで、そこから異様に努力して(させられて)、一流になっていくんだよね。
(そこに気づかずdisるだけのヤツは本当にバカ。感じるセンスがない)
MJ公は、幾多の壁を勝ち抜いて勝ち抜いて、ここまで来た人なんだよね。
よく、
アイドルグループはみんなおんなじ顔にしか見えん!
という声を聞くし、オレも同じように思ってるけど、MJ公なんて、あんなに整ってるのに誰とも違うんだ。すごすぎる。
そのうえで、エンタメの知識に貪欲で、研究し、自分のものにしていく。
この作品、きっとMJ公のターニングポイントになるんだと思う。いや、いい意味で、だよ。あるときは嵐としても戻ってきてほしい。それは、ね、やっぱり。
凄まじい努力は、はたして、どのような結末へと作品を導くのか。オレの頭にある
◯◯で、◯◯のことを、◯◯して、◯◯するのでは?
というイメージからどのくらい距離があるのか。泣かせるのか。早く観たい気もするけど、もっとずっと先に取っておきたい気もする。
あーーーージュン子さんやー。そういえば、今日と明日がアマゾンプライムデーだけど、まずプライム会員にならないと安くなんないのは知ってるな? 年会費はいるけど、送料は基本的に無料になるし、ビデオも見放題だったりするから、入っといてソンはないと思うぞー。
出遅れて後悔するくらい安いから気をつけてな~