甘いデザートは好きだけど…
連休前の金曜日に第1段の納品がなんとなく終わったし、3連休という世の中のスケジュールと一緒に浮かれたくもあり、
せや!ネトフリかアマプラで映画でも観るか!
となった。
ウィスキーはボトルで買ってあるし、炭酸も2本ある。家族も寝た。これはしっかり楽しめる。
だが、しかし、何を観るか?で20分くらい迷った。
超話題作だけど観てないものも多い。
あまりヘビーなのもなぁ、という気もする(ヘビーなの嫌いじゃないんだけど)。
んーとか言いつつスクロールしてたら、あ、『陽だまりの彼女』あるじゃん、と。
先日、ジジイが仕事終わりで寝てたとき、リビングからこの映画の音声だけ聞こえてきて、アタマに再インプットされてたところだったし、妻に「観ろ!」と言われてたのも少しあった。
ジジイは、ずいぶん前に原作は読んだんよ。
でも、これまで映像は観てなかった。
理由1:原作読んだのでなんとなくわかった気にはなってた。
理由2:MJ様の普通の人で甘い役はなぁ…映画会社の都合キャスティングでは?
ま、おもに理由2のウェイトが高い。
しかも原作の舞台が練馬区の大泉で、映画の舞台が江ノ島でしょ?
前者は地元で、後者は小学校以来の友人が住んでるから今もときどき行くし、なんとなくロケーション的なイメージと映画化する上での都合(おもに絵になるかどうか?だよな)を見きった気がしてたんだな。
あー、まぁスイートでキュンキュンくる映画を撮りたいんだねーと。
マイナスの演技をする主演
で、結果だけど、滂沱の涙を流す始末でしたよ。
家族と一緒に観なくてよかったよ。
けっこう感情移入しながら思ってたのは、
MJ様…マイナスの演出を考えたんだな?
ってこと。
主演でありながら、たぶん原作を読み込んで、ここは少し引いたほうがいい、と思ったんじゃないか。
上野樹里ちゃんの…この子は学生のスイングジャズの映画から、なんともいえない世界観を持ってるよね。あ、のだめちゃんもそうだわね。
話を戻すと、この映画って、物語はオクダコースケくんを軸に、ワタライミオちゃんがからんでいくということなんだけど(ネタバレしないように慎重だな)、ミオを際立たせたほうが引き込まれるから…というのを、監督とMJ様で確認して撮影している感じ。
ジジイは、MJ様の類まれなスター性から一貫して「ゴージャスな役柄」を求めてきたところがある。だから、じつは『99.9』もあんまり満足してないの。ファッションが物足りないから。
ということもあり、ふつーの人の役のMJ様は…というのが、これまでずっとあった。MJ様のムダ遣い、とすら思ってた。
ところが…この映画はMJ様がうまく出すぎずに存在感のある主演?という、むずかしい立ち位置を超絶すばらしく超表現してた。
あれ?これってやっぱり演出側の考え方を持ってるからなのかな?とかね、頬をなんか急に水分が満たしていくよ?てな状況でね、思ったりしたわけです。
とにかく、マイナスの演技をする主演ってところで、とても衝撃を受けたよ。
しかし音楽はズルいね
この映画…原作もそうだけど、あの有名な(という言い方もダサいけど)ビーチボーイズの、『Sufin’ USA』でも『Fun, Fun, Fun』でもなく、あまり知られてない『素敵じゃないか』ときたもんだから、最初は「?」から始まった。
けど、このあまりメジャーでもない楽曲と、ビーチボーイズを底でさらう湘南江の島というロケーションを得て、この物語は完成したんだな、と今では思う。
当初、原作では練馬区の大泉が舞台で、そりゃロケーションがいいからってさぁ!と地域では映画の舞台を持っていかれたことにプンスカしている人もいた。
けど、映画を観て、これは大泉より江ノ島のほうが説得力あるよあぁ…と正直思いました。
江ノ島のほうがネコが多い。
テーマ曲がビーチボーイズである。
そして…やっぱしロケーション的にもね…圧倒的に絵になるからね。しかも交通広告の営業さんが鉄オタっていう、あまり表に出すぎない設定とかも効果的に絡められるしね。
ああ、なんかいい映画を観た。とても切なくて、まさに『素敵じゃないか』と思ったわ。
そして、この曲を聴くと、2人の物語を思い出してしまうんだろうな。
音楽って…ズルいよな。
「すべての芸術は音楽に嫉妬する」というのを、どこかで聞いたことがあるけど…やっぱ音楽ってイイよね。
嵐さんの音楽も、いろんなシチューエーションを思い出させるんだろうな。
おーい、ジュン子さんや…。なんか切なくてたまらないのぉ!