いきなりじゃないかぁ!
驚いた。
パートがお休みだった妻と夕食やらなんやらの買い物に行って、帰ってきたら
ね!ね!ね!嵐がYouTube公式だって!知ってる?
と帰宅していた20代までもう少しちゃんに言われて。
え!?え!?え!?
といい年の夫婦そろいもそろって浮足立つわ沈み足正座するわ(なんのこっちゃ)。
青天の霹靂
《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。
コトバンク<デジタル大辞泉の解説>より
とはこういうこと言うのだろう。
そんなのウソに違いないから、豚の挽肉を冷蔵庫に入れるのもあとにして確認しましたよ。
まさか、まさか、まさか。
ファン歴が浅いジジイは、PV(MV)も全部観れているわけじゃないので、今月中ごろに発売されるクリップ集を楽しみにしていた。
ライブ映像ももちろんいいが、楽曲のコンセプトを映像化したPV(プロモーションビデオ…昔はそう言ったっけな…いまはMV…ミュージックビデオだな…)はまた個別の設定と演出を、各方面のプロフェッショナルたちが寄ってたかって施した、そりゃー一線級の作品じゃから。
しかも大人気の嵐だから、予算もそれなりにつくだろうし、参加するクリエイターたちも注目されることうけあいなはずなので気合も入るだろうというもの。
だからずっと興味はあったし、酔っ払って深夜に『GUT’S』のPVを何度も探したりしたし。
でも、ま、ネットに厳しいジャニーズだから、ろくなのがあろうとは思ってなかったし、実際なかったかな。
なんかの番組用の特別ビデオみたいなのは何度も観たな(東京ドームで撮ったやつ)。
ああ、だから、クリップ集の発売を楽しみにしておったのじゃ。
それが、発売の1週間前?いきなりYouTubeに公式チャンネルとして公開されたのだから…。
公式チャンネルは何のため?
すかさず観た。ほんとにあった。
RetinaディスプレイのMacBook Proのモニターに、高画質の5人が踊ってる。
“Monster”“truth”…画質、イイ。素晴らしい。
うぉぉぉぉぉ!これこそ公式だよなぁ!
昔のPVもデジタル・リマスターしたらいいだろうなー。
と同時にコメント欄とかも追ってみると、国内はもちろん海外からの号泣コメントが多数寄せられていて、思わずもらい泣きしそうになったわい。
これまで海賊版のクリップしか観たことないし、国内のFC会員でもなかなか当たらないライブに行けるわけもなく、画質の悪い動画でしか5人を感じることができず、それでもファンになった。
それが公式で高画質でアップされたわけだから、そりゃ泣くよなぁ!!!!!
それもこれも、嵐がビジュアルは語るのも野暮なくらいイケてるのを前提として、楽曲がちゃんと素晴らしいからであるのですっ!
と共感しつつも、じつは、この時点で、ジジイは完全に「海外向けの戦略」だと思っておった。
むしろクリップ集のプロモーションということは思い至らなかった。
理由を言うと、
1.ジャニーズの体制が変わったこと。
2.韓流の後塵を拝してきたこと。
3.国内向けのプロモーションなら各テレビ局に顔を出せば足りそうなこと。
ネットリテラシーということ
ジャニーズという若者の集団でありながら、ここはずっとネットには慎重なことがファンの間では語られてきた(ファン以外はそれも知らないことが多いのだが)。
著作権、肖像権…。とくに肖像権がジャニーさんの気がかりだった点じゃろうな。
ジャニーズショップで生写真を売っているのに、ネットにアップされればそれをプリントアウトして所持することができる。
これはタレントを擁する世界中の事務所が対処に苦慮していた点じゃろう。
ところが、もはや時代は止められない。
そもそも、YouTubeが出始めのころ、主なコンテンツはたしかアーティストのPVを非公式にアップすることが多かった気がする。
こんな著作権を無視するようなプラットフォームはありえん
と、ジジイは思っていた。
が、あれよあれよという間に市民権を得て、法律はその流れに逆らえず屈したかたちになったと記憶している(違うかもしれないけど)。
で、Googleが傘下に入れて、あっという間に巨大なマーケットはおろか憧れの職業まで作り出した。
その成長と同時に、K-POPが東アジアを中心として世界を席巻したのは記憶に新しい(韓国はそもそも国内人口が日本の半分以下なので外にマーケットを求めた)。
じつは、ジジイは文化的レイシストな部分があるので、韓流とか言ってないで日本のカルチャーを応援しろよ!と(あまり)口には出さないけど苦々しく思ってた。
それは、日本があまりにも無策だったからじゃ。
ここは語りだすとめちゃくちゃ長くなるのでカットするが、要するに、ある程度国内だけでビジネスできていたので、それで満足しておったんじゃろう。
エンタメ系の会社もある程度成熟しておったので、ネットみたいなわけのわからん、もしかしたら自分たちの足を引っ張るかもしれないものには関わらない!という感じがあったんじゃないか。
なんか、ネットリテラシー世代の代表であるタッキーの副社長就任直後に、こんなトピックスが生まれたのは、そういう理由があるんじゃないかと思う。
KALDIのコーヒーとか夜廻り猫とかフリーミアムとか
タダで見せたら買わなくなるんじゃないの?というのが一般的な意見だと思う。
ま、ふつーそう考えるわな。ジジイもそう思う。
が、人間っておかしなもんで、タダで見れるものを金を出して買う、ということが実際あったりするんじゃ。
KALDIってコーヒーと食料品のお店がある。(精神的にという人も含め)若い人に人気だけど、お店に入るとコーヒーの入ったカップをくれたりして、♪飲みながら商品を見てくださいね〜という感じで引き込まれて、つい何かしら買ってしまう。
もっとわかりやすい例で言うと、『夜廻り猫』って漫画がある。これは作者の深谷かほる先生が、とくに誰に頼まれるでもなく、ツイッターで8コマ漫画を上げていたら、話題が話題を呼んでいつのまにか単行本(現在第5巻まで発売中。もうすぐ第6巻が出るよ)になり、各地のデパートで展覧会をやったり、LINEスタンプが出たり。そして第21回手塚治虫文化賞や第5回ブクログ大賞を受けるまでに至っておる。
これはそれほどの大傑作じゃ。ジジイの超おすすめマンガじゃ!
なのに、いまだに第1話からタダで公開しているんじゃ!おそろしや!
深谷かほる先生(@fukaya91)はいまもツイッターで(つまり無料で)週に何回か新作をアップされておる。これはフォローしておいたほうがよいぞ!
で、さらに遡ると、アメリカのグレイトフル・デッドというロックバンドがある。ここも細かいこと書いてると果てしないので要点を引用すると、
グレイトフル・デッドは、今あらゆるビジネスで注目を集めている「ソーシャルメディア」を活用した最先端のマーケティングの多くを、1960年代にすでに開拓していた。ライバルのバンドと一線を画すようなサービスをファンへ提供するために、ほかでは絶対にやらないようなことに取り組んだ。例えば、ライブに来たファンに自由に録音させ、手作りのテープをファン同士が交換することを許した。これは、基本的なサービスを無料で提供する「フリーミアム」の先駆けだった。
グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ 日経BP社
まずはタダでお楽しみください。気に入ったら買ってね。と、Spotifyとか多くのネットワーク系エンタメサービスがまさにこのビジネスモデルを採用している。KALDIも一見違いそうだが、コーヒーをタダで飲ませてもらったことで「返報性の法則」が起動するんじゃな。その意味では似ておるよな。
で、嵐はいよいよARASHIに!?
ここまでムキになって書いたけど、ジャニーズは、いや、タッキーは、いよいよ海外マーケットにジャニーズを展開するために本気を出すんじゃないかと思っておる。
その意味でも、すでに海外にも一定のファンがいて日本での露出も多くファンのネットワークも強い嵐は、突破口を切り開くのに適役であろう。
しかも、東京オリンピックのナビゲーターとしてさらなる露出もあり、2020年の活動休止という(ファンとしては悲しいけど)メディアの盛り上がりが約束されているグループである。
そこでこのYouTube公式チャンネルの公開…。つまり、「嵐がシェアできる」ということ。これを海外のインフルエンサーが放っておくとは思えん。
そして、拡散されていくじゃろう。
だって、ビジュアルもいい上に、ダンスも、世界観も、そして楽曲(含む歌い手としての実力)もイイ。
さらに、この流れが、ジャパニーズ・エンターテインメント(+コンテンツ)のガチな海外戦略の先駆けとなれば!と真剣に願う。
ジジイも英語で文章が書ければ、海外でバズりやすいと言われるインスタとかで1ミリでも拡散できるよう動くんじゃけどなぁ!
ああ、これで、「フジヤマ、ゲイシャ、スシ、アラシ!」ってことじゃのぉ! ここまで言っておいて期間限定だったら恥ずかしいわい!