ラーゲリ展に行ってきた
赤坂サカスで『ラーゲリから愛を込めて』の展示が始まったよ。というので、戦争関連のこと知りたい病のジジイとして、またこういった軽くないテーマをしっかり受け止める役者としてのニノをめっちゃ評価してる身として、とにかく行くべし!と足を運んだのでした。
ファンの人はとっくに知ってると思うけど概要を書くと、この物語は基本的に実話で、山本幡男さんも実在の人物です。
第二次世界大戦(立場とか考え方とかによって太平洋戦争とか大東亜戦争とか言い方が変わるけど)で2発目の原爆が長崎に落とされた8月9日に、それまでの不可侵条約をソ連(現ロシア)が一方的に破棄して満州に攻め込み、15日のポツダム宣言受諾(終戦の詔書=敗戦)で武装解除された軍人や軍属を極寒のシベリアに移送・抑留した事実が背景になってます。
公式サイトに平野隆企画プロデューサーの挨拶文があるけど、これを企画した時点でまさかロシアが当事国としてまた戦争を起こそうなんて、映画の公開がその戦争のさなかに行われることになるだなんて、まったく想像できなかっただろうな。
そして平和祈念展示資料館にも
赤坂サカスでの展示は、たぶん新宿への導線なんだろう、ってことで、新宿住友ビル33階の平和祈念展示資料館にも行ってきました。
ちょうど12日(土)からということで、ラッキーにもこちらは初日。『ラーゲリより愛を込めて』映画関連の展示もいろいろありました。
オレ的にはたしか3度目くらいの訪問で、極寒の地での抑留生活を再現するリアルなジオラマなど視覚的な展示が胸に迫るけど、映画の原作を読んで、当たり前だけど過酷な日々の中にも笑い合ったり「人間らしい営み」があったことを知ったので、どこかに救いを得ながら観ることができた。
この施設は、これだけの充実した内容なのに、なんと無料なんですね。映画できっかけをもらったらぜひとも訪問してほしい施設です。戦争そのものや原爆のことはわりと多くメディアに乗ったりするけど、意外とシベリア抑留のことは知る機会が少なかったりする。ジジイも興味を持ったのはこの映画が発表されてからかもしれない。
関西の人は引揚船の帰港地だった舞鶴の引揚記念館でも映画関連の展示をやってるそうなのでぜひ。
人間はいつまで戦争するのかなぁ
それにしても、シベリア抑留(シベリアだけでなくソ連全土に及んだのでソ連抑留と呼ぶべきだという説もあるらしい)って、終戦から約30年経って集団帰国事業がとっくに終わってる1970年代にも残されてた人がいたとどこかで読んで、めちゃくちゃ驚いた。
とっくに生まれてたし、大阪万博とか開かれてるじゃん!
いや、それどころか、1980年代後半から90年代あたまのソ連の崩壊まで帰国が許されなかった人もいたって知って、ちょっと気が遠くなった。
ソ連最後の書記長で今年亡くなったゴルバチョフに翔ちゃんインタビューしてるんだよね。メモ見て喋ってたのをバン!って閉じられてビクってたのを思い出す。あれで本物のキャスターへの道を歩き始めたと思うんだけど、そのゴルビーが登場するまで帰れなかったって、マジかよ!
あのころ、もう危なっかしい国はなくなったんだなぁ、と思ってた。中国も改革開放で開かれて行ってたし、北朝鮮だってそんなにニュースになってなかったし(覚えてないだけかもしれないが)。
それが、昭和の後半を過ごしてきた身としては、まさか21世紀にもなってこんなことになってるなんて…いやもうボーゼンとするよ。
前にも書いたけど、「負けたことない」と思ってる国…無敵説、ってある気がする。だいたいそういう国って情報統制されてるから、国民が真実(に近いことも含む)を知らされていないか、知らない。だから、定期的に戦争のことを考えるのは、平和のために必要だと思うのですよ。
その機会を、またニノが与えてくれた。映画が、ホント楽しみだ。
というわけで、公開まで約1か月。予習のために。
▼読了しました!淡々とした筆致ながら、山本さんはじめ周囲の人のすごい迫力(ていうか意思)を感じました。
▼マンガ版です。デジタル版もありますね。
▼ノベライズ版ですね。映画のラストまで描かれてるのかな?
▼リアル引揚者で『あしたのジョー』などの作品でも有名なレジェンド漫画家ちばてつや先生の1話4ページのマンガです。ところどころに引揚げ時のエピソードがあって超貴重!漫画家生活のことなど他のエピソードもたっぷり楽しめます!ただいま全5巻!これは必読!
なぁ、カズ子さんや、縁側でお茶をすすれる日々を大切にしたいもんじゃのぉ…。
<おまけ>
帰りに寄った新宿東口に最近開業した「Alpen TOKYO」にサトシの友達コーナーがありましたとさ。