ジジイも昔は…
ニノのエピソードには、嵐に負けず劣らず…というか、嵐よりずっとキャリアの長い各界の大御所に絡むものが多くて、ちょっとビビる。
ま、それでも、嵐ぐらい市場の支持を受けていると、いくら大御所といえども
「ある程度は認めねばならんなぁううむ」
的な、売れている生意気な若手に対して苦虫を噛み潰しながら…苦虫ってリアルにいたら噛み潰す度胸ないけどな…大人の余裕をかます…ってのが、想像する大御所の態度なんだろうけど。
ニノの場合、いろんなインタビューやコメントに接することがあるけど、ことごとく“タメ口”とか“年長者or巨匠にちゃん付け”とかが出てきて笑う。
なぜ笑うか。ジジイも、業界に入りたてのころ、自分で仕事を動かしていた(つもりになっていた)気持ちもあって、年上のデザイナーとかにタメ口をきいていたんだけど。
距離を縮めるため、とか、対等な仕事をするため、とか言っていたんだけど。
そのうちに、そんなこと言えなくなって。いまではちゃんと年下にも敬語ですw。
あの巨匠に「ちゃん」づけかよ!?
という経緯があるので、ニノのタメ口にドキドキしてしまう。
けど、なんでドキドキするのかなーって考えた。
ま、わりと自分なりの結論は簡単に出た。つまり、その仕事に対する立ち位置の確保と覚悟、ということだな。
ジジイの仕事は、匿名なので、ま、ジジイがやらなくてもいい。
対して、ニノの仕事の多くは、ニノの名前で動いているのであって、ニノがやらないとダメだ。
けど、だからこそ、ニノは自分の与えられた仕事に責任を持っているわけで、いくらエラい監督やプロデューサーとも対等であると言える。
と演者が勝手に思っていても、巨匠は従わせるのが仕事だったりもするので、そこの距離感と言うかバランスと言うか…想像以上に難しいはずじゃ。
その上で、対等で行く、という覚悟を持っている、とも言える。
少なくとも、われわれは、ニノのそういう仕事をたくさん観させてもらっている。
役者が監督に忖度しない。監督が役者に忖度しない。
そんな環境からしか生まれない上質なドラマを観せてもらっておるではないか!
倉本聰を「そうちゃん」と呼ぶんですよーあの人ってば。
蜷川幸雄ともタメ語だったし、クリントさんにも(直接言葉が通じなかったとしても)あんな態度…たしか情熱大陸での一コマだったけど、日本の多くの芸能人が観ていたら凍りつく場面だよね。
べつに乱暴狼藉を働いたわけじゃないけど、にしても、ふつーあんなハリウッドの大巨匠に対して、タメ語な態度は取れないでしょw。
意味のわからない期待感
ジジイはそれなりにいろんな人間を観てきたけれど、ニノは本当に本当に面白い。
なんかわからんけど、ニノのタメ口は、あえてやってる綱渡りのようにも見える。
想像してほしい。てか、男の世界って、敬語で過ごしたほうがラクなのよ。
以前、企業シミュレーションゲームをつくっていたとき、某大手電機メーカーのカスタマーサービス(苦情担当?)の人たち、すべて男性にインタビューしたことがある。
その時の記憶として強く残っているのが、
「年下が配属されても敬語であらかじめ接していれば突然上長になったとき言葉遣いを変えずに済む(経験上そういうことがたくさんあったので)」
という話。
ニノだって、アイドル稼業しかほとんど経験ないだろうけど、あれほど勘の鋭い男じゃ。なんとなくわかっているような気がする。
生意気と思われてもいい。いや、むしろ思われるべきだ。そこで捨てられるなら、自分は捨てられるレベルでしかない。
そんなふうに思っている気がするな。
でも、ちっちゃなことって思われるかもしれないが、そういうちっちゃな覚悟って大事だと思うんじゃな。
てなことを想像して、ジジイはニノに(意味のわからない?)期待感を持っておる。
どんなビックリを届けてくれるかのぉ。
おーい、カズ子さん、あんたのちっちゃな野望ってなんじゃ?
と言いつつ、9日は日本アカデミー賞受賞作の日…いや、そういう言い方はいかんな。長崎に向かって合掌しよう。
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