ドン引きするほどの才能を見た
先日、11月8日の日曜日(東京の最終日だったみたい)に、『FREESTYLE2020』に参加することができまして。
ジジイはニワカだから、そういう展覧会がこれまで2度ほどあったことは家族つながりでうっすら知っていたものの、その場に足を運ぶのは初めてだった。
けれど、折に触れて、サトシ(今回はサトぴょんなどと軽々しく言わん)の作品を印刷物経由で目にして、
好きなんだねー
とか思ってたし、家族に対してそーゆー感想を述べていたかもしれん。
うっかりしていた。
ジジイは、いちおー「アート」とか「クリエイティブ」とかに近しい業界に30年以上いるので、どこかわかったふうな口をききがちなところがある。
その流れで、
サトシ、いいね。アートに興味あるんだね。
とか、上から目線のナメた感想を抱いていた。
ごめんなさあああああああああい!
もう、全力で、自分の記憶を抹消しにかかりましたよ。
マジで、ガチで、この人の才能はホンモノだと圧倒されました。
妄想をどこまで具象化できるか
告白すると、ジジイも、どこか
アイドルが開催する展覧会
という先入観がありました。ごめんなさい。
本当にごめんなさい。
うちにある前回までの図録で、例のヘッドフィギュアの造形は記憶にあるけど、24時間テレビのTシャツイラストとか、なかなかすごいな…と思いつつ、そこ止まりだった。
つまり、「トップアイドル嵐の大野智の展覧会」という、たしかにそのとおりなんだけど、そこでイメージが止められてしまっていることに気がついた。
これはね…思い返すと、なかなか苦しい感じがある。
あの細密画。色を乗せた上に黒を引き、白で細かく構成していく技法。その描き込み。しつこさ。妄想を、しっかり表現できる技術…
ド変態ですよ!
その上で、あの全体の構成力。「アーティスト的な呼び方をされたいアイドル」が近づける境地では断じてない。
そもそも描いているサイズが暇つぶしにやってるレベルではない。
絶句した。反省した。
ド天才ですよ!
繰り返すけど「日本のトップアイドル嵐の」という肩書がなくても、十分現代アート界に勝負できるレベルだと思ったよ。
てか、現代日本のアート界に求められている人財では?とか思った。
その実力を、おれは曇った目で見ていたのかも…って。
ジャクソン・ポロック風の作品もあったけど、ジジイは細密画が好きだったなー。
そして、メメント・モリ
で、展覧会の全体を鑑賞しつつ、気になっていたのは、
死
というワードだった。
アイドルらしからぬテーマだとは思う。
それがあらゆる作品の中に、表に、裏に、表現されていた。
本当の死が見えないと、本当の生も生きれない。等身大の実物の生活をするためには、等身大の実物の生死を感じる意識を高めなくてはならない。
死は生の水準器のようなもの。
死は生のアリバイである。MEMENTO-MORI
この言葉は、ペストが蔓延り、生が刹那、享楽的になった中世末期のヨーロッパで盛んに使われたラテン語の宗教用語である。『メメント・モリ』藤原新也(情報センター出版局)
「死」という言葉の見つめ方に、どこか共感性があるような気がしたので本棚を探してみたら、これが出てきた。
完全には一致しないかもしれないけど、根底に流れる意識に共感したのは、サトシもジジイも一緒だと思ったな。
それは全然ネガティブなことではなくて、むしろポジティブな反応なんだと思う。
展覧会のラストの写真ね。これ、うちの女子たちは「…」って反応だったけど、オレはむしろいい気配だなーと思った。
これからだ
と、CMとはいえ、口から出たキミの思いは、もっともっとつながっていくのだと思うよ。
エジソンは「1+1=?」がわからなかった
で、展覧会では中学のころの数学の答案用紙が貼られていたけどw
なんかね、サトシみたいな異能の人に、ふつーの物差しをあててはいかんのだ。
そう。かのエジソンとかアインシュタインの有名な逸話に、「1+1はなぜ2なのか?」というのがあるけど、まさにそれに近い脳ミソをしてるのかもしれない。
繰り返します。サトシみたいな異能の人に、ふつーの物差しをあててはいかんのです。
その意味で、大野家の両親は偉かったんだなー。
「アイドル」って偶像という意味だし、その意味ではファンを裏切っちゃいけない。けどねー、生身なんだよねー。サトシがサトシであることで描かれる線があるんだよ。
だから、FREESTYLE2020の展覧会図録で弁明&謝罪しているサトシが気の毒でならなかったし、嵐のメンバーも、この鬼才っぷりを見せつけられると、
ちょっと抜けたい
と言われてうなずかざるを得なかったんだろうな。うん。それはそう思う。
もしかしたら歌って踊って演じてのほうが副業なんじゃないか?と感じるレベルだから。
嵐を休んだときの作品がどうなるか観たいところもあるしね。
と同時に、忙しいからできる作品もあるんだよね。
どう転ぶかな?
で、今ごろじつは数学的なことに興味を抱いてる気がするな。あの作風は、そっち系の感じがするのだよ。
大阪での展覧会が決まったみたいだけど、美術系の人とか、ぜひ観てもらいたいな。
それは置いといて、サトシが好きらしいと聞いたノーマン・ロックウェル先生のリンクを貼っておきます。