ニッポンを、ONE TEAMで(後編)
で…。どこまで書いたっけ?
そうそう。『Turning Up』の歌詞に、なぜわざわざ「J-POP」って単語を入れたのか?について、ひとつはTOKYO2020の開会式の演出を想像して、伝統文化だ富士山だ寿司だ…は有名だけど、両輪であるべき「今」を表現するシンボルがちょっと弱いかも…と思っていた。
いま「Tokyo Tokyo」で表現されているのは、初音ミクとロボットのロビ、キティーちゃん。ほんとはもっとあるけれど、権利とかキャラかぶりとかで以上のようなことになっているんだと思う。て考えたとき、やっぱリアルなアイコンが必要なんじゃないか。
この流れでいくと、ほぼ嵐しか思いつかん。
ただ、ジジイは嵐のことを考えると、必ずしも諸手を挙げて賛成!というわけでもないんだけどね。荷はやたら重いし、アンチは湧き放題湧くだろうし。そして、まだまだ世界的には無名に近いわけだし。
ロンドン・オリンピックの開会式を覚えてるかな? あのとき、すでに東京は決まってたと思うので、ジジイはとても興味深く観ていたよ。どんなことやってくるか?と。
やっぱり文化的な層の厚さは圧倒的だった。ビートルズとかローリング・ストーンズとか出されたら、ぐうの音も出ん。キンクス、エリック・クラプトン、レッド・ツェッペリン、デビッド・ボウイ、クイーン…さらにセックス・ピストルズまで出してきて、洋楽ジジイは歯噛みをしたもんじゃ。
文化のチカラってのはものすごく、
やっぱイギリスすげーわ!!!
てな感覚になったことをよく覚えている。
いちおう念のために確認しておくと、ジジイは現代のオリンピックは、世界的な娯楽であると同時に開催国のショーウィンドーだと思っておる。世界中の多くの人が注目するコンテンツに、国家のイメージ戦略やら宣伝の視点が入るのは当然じゃろう。
で、それほど重要な国家の文化戦略において、日本は韓国の後塵を拝してきた。ようやく前回の「後者」を語ります。長くしないようにします。
韓国は2000年に文化予算を国家予算の1%にすることを決めたとのことなので(※「表現のビジネス」浜野保樹 著・東京大学出版会)、直近の予算から算出すると約4517億円になるらしい。それに対し、日本の文化予算は2018年で1077億円。これでも「大幅増額」だったそうじゃ。トホホ…。
さらに言うと、
対韓国ということで言えば、いまは政治の部分でややこしいけど、そうなる前は「韓流ブーム」が渦巻いていたでしょ? これなんかは国家予算の上手な使い方をしたからじゃと思うし、もちろん日本だけでなく世界中に韓国のファンをつくる戦略をとって、ある程度成功してる。
Samsungのスマホが世界シェアの20〜25%を握ってトップにいるのは文化政策も無関係じゃないと思うんじゃよな。
こーゆー状況を、日本の文化人で憂いている人は少なくないはずじゃ。
そんな思いが『Turning Up』の歌詞の「J-POP」に込められている気がするし、この言葉がONE TEAMの合言葉なんじゃないか?と思える。
ジャニーズだけじゃない。ジャパニーズだ
嵐が活動休止までの期間を「2020末まで」にしたのは、大人の事情が絡んでると見ていいと思う。
その中で「J-POP」とわざわざ歌詞に入れた楽曲を、SNS一斉公開のタイミングでリリースしてきたのは、嵐さん、矢面に立つ覚悟を決めたんだね…と男泣きに泣けるくらいの出来事じゃと思っておる。
そこに政府が直接関わってるかどうかはわからんが、おそらくオリンピックの総合演出部隊とONE TEAMでやっていく気なんじゃろう。実際に開会式に登場するかは別じゃけど。
いや、でもこれ、素直に考えると出る流れだよなぁ…。
あと1年切った中で、世界的な下地をどの程度つくれるか?で勝負をかけたんじゃろう。嵐さんは。ある程度は読めるとスタッフからの情報提供があった上だろうけど、櫻井副社長と松本潤演出担当専務の打ち合わせ風景が目に浮かぶわい。
キャリアとかで言えば、サザンとかユーミンとかミスチルとか、場合によってはX-JAPANとかも考えられたかもしれん。
でも、たぶん音(聴覚)とダンス(視覚)の2つが必要なんじゃと思う。
その意味ではAKB系とか坂とかもあるだろうけど、嵐さんになった。
もしかしたら追っかけで出てくるかもしれないが、秋元康が批判を恐れて引っ込めてる気もする。
ちなみに、TOKYO2020の総合演出は野村萬斎氏となっているけど、そこはかなりシンボル的な意味が強いんじゃろう。実際には映画監督の山崎貴氏と佐々木宏氏が仕切って動かすはずじゃ。佐々木氏は元電通のクリエイティブディレクター。サントリーのBOSSとかソフトバンクの一連のシリーズをずっと続けている人で、リオの閉会式のディレクションもしている。この人がちゃんと動ければ、それなりのクオリティは期待できそうじゃ。
で、このSNS解禁で得た知見を後輩のグループにフィードバックするため、とかいう話だったけど、じつはそれこそJ-POPすべてがここから世界に開いていく可能性が高い。
そうジジイは思っておる。
がんばれ、嵐。ライブもありSNSもありで心身ともにめちゃくちゃ大変だと思うけど、無理をしすぎない程度に走っておくれ。
いや、まさにMJ様が宣言したように「走り続ける」展開になってきたのぉ…。
ファンにしたって嵐さんの動向を全力でSNSまで追いかけなきゃいけなくなったし(嬉しい悲鳴だけど)、こないだのインスタライブはスマホで観るには小さすぎる!と思った人も少なくないじゃろうから、きっとタブレット端末が売れることから日本経済が動くかもしれんな。
先日のインスタライブで翔ちゃんがずっと手を上げていたのを不思議に思っている人がたくさんおるようじゃが、あれは縦の画面を意識したもので、本人もそう言っておったな。そしてジジイの知る限りではインスタってスマホファーストで、タブレットは対応できるが、パソコンでは使いづらいんだわ。いまのiPadってフタ兼キーボードがあるから、あれがあればほぼパソコンみたいに使えるしのぉ。ほすい…。
それはそうと、しかし、熱いお茶がうまい季節になってきたのぉ。