嵐のCM王
ジジイはお買い物が大好きじゃ。しかも今の環境は徒歩2〜3分に大手スーパー2軒とディスカウント食料品店もあるから、非常に喜ばしい。
お買い物のなにが楽しいって、いろんな商品を見て回ることじゃなー。あ、こんな新しい商品が出てる、とか、この商品のパッケージ面白いね、とか。うふ。
広告業界にいるから、ってのもあるかもしれんが、子どものころ商店街の中に住んでいて、ごく近所にスーパーもあって、毎日のようにおつかいとか頼まれてたから広告業界に興味を持ったのかもしれん。
で、スーパーといってもお店ごとの特徴もあるけど、近所のイオンは日用品のPOPをしっかり飾る店なので、一周回ると嵐のメンバーをコンプリートできたりする。
いま、いちばん大きく飾られてるのは、相葉ちゃんとニノかな。やっぱ梅雨ってことで洗濯系の扱いが大きい。
とくに2人は同じライオンがクライアント(広告主な)だから、並べて飾る用のPOPがある。
さらに相葉ちゃんはムヒもやってるから、
というのも飾られとるな。
相葉ちゃんのおかげで、目に付きやすい上の方の棚も確保されておる。こーゆーのもいいタレントを起用したCMのご利益じゃな。
テレビ放送の調査・測定を行うニホンモニターが7月1日に発表した「2019年上半期タレントCM起用社数ランキング」でも、相葉ちゃんが1位になったそうじゃ。2015・2016年と連続で年間王者を獲得し、前年同期でも2位。上位の常連じゃ。なんと9社のCMに起用されているというから広告業界的にもスゴイ人気っぷりってことじゃな。
シズルとはなにか
ところで、ジジイは広告業界で30年以上生きているので、なぜこういう結果につながっているのか?というのは分析してしまうクセがある(当たってるかどーかは別にして)。
そーいえば、最近業界用語がふつうに流通するようになっておるが、「シズル」って単語は聞いたことあるじゃろうか?
これ、よく料理系の撮影やらCMなどの企画で使われてきたのじゃが、いまではもっと広くいろんなところで言われるようなっておるな。
一言でいうと、「消費を促す五感表現」のこと。たとえばインスタントラーメンとかのCMでインサートされる麺上げのカットとかは、いわゆるシズルカット。食品のパッケージとかにも基本的には使われておるな。
なんでも、もともとは肉が焼ける音が英語の擬音語で「sizzle」と聞こえたことかららしい。
そこから発展して、「ほしい!」と感じさせられる表現かどうか?それが「シズル感があるかどうか」という言葉になっておる。
クルマの撮影の仕方だって虫刺されに塗って “はひょ〜ん!” と口に出す言葉だって、シズル感があるかどうかを計算されておる。
ビールのCM撮影では、泡を作る専門の人が呼ばれるくらいじゃ。
ちなみに、あの名言 “はひょ〜ん!” も、コピーライターやらCMプランナーがいろいろ考えて、企画プレゼンだったり撮影の現場だったりでクライアントに提示したもののはずじゃ。
その中で選ばれて、相葉ちゃんが言うことによって、「虫に刺されたときってガマンできないくらいかゆいよね。そんなとき “はひょ〜ん!” と爽快に感じられる塗り薬がほしいよね」と…理屈じゃなく感覚に訴えようとしているわけじゃ。
“きく〜” でなく “はひょ〜ん!” となったのは、相葉ちゃんのキャラあってのシズル感表現じゃな。それが「届いている」とクライアントに評価されておるから、CMへの起用が続いておるのじゃ。
醸し出す「ふつーで理想」の生活シズル
で、なぜ相葉ちゃんが安定してCMタレント上位をキープし続けているのか?についてじゃが。
たぶんに、「スターなのにふつー」だからじゃと思う。
逆に言えば、「ふつーなのにスター」という理想。ふつーの生活者とおなじ(に見える)スタンスで商品が訴求できる。
必要以上に役を作り込んだ演出がないのが、その証拠ではないじゃろうか。
言うまでもなく、多くの消費者はふつーの生活者で、その人たちが「自分のこと?」と脳内変換して買ってくれないと、商品は売れない。
「自分のこと?」と思わせるには、CM表現に共感させることが必要じゃ。
で、そこには、生活のシズルを感じさせること…一般生活者との乖離がないこと…が重要になる。
とゆーわけで、相葉ちゃんに声がかかるんじゃろうなー。
これは、相葉ちゃんの偉大な「ふつー力」、つまり「神のシズル」と言っていいかもしれん。
そして、しつこいようじゃが、これって「ふつーの感じを持つスター」でなくては成り立たず、その意味でも相葉ちゃんが稀有な存在であると言えるわけじゃ。
と考えると、ドラマとかも特殊なキャラクターじゃなく、いかにもふつーにいそうな、銭湯の若主人とかどうじゃろ?
ちなみに、トップの写真も、相葉ちゃんがラーメンの中で「いちばん好き」らしい、もっともふつーとされる醤油ラーメンを選んだのじゃが、シズるかの?
おーい、マサ子さんやー、お茶のあとでラーメン食べに行こうかのぉ!
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